右膝に水が溜まった40代男性〜古傷のケアと関節の負担を減らす筋膜リリースで対処
みなさん、こんにちは!JR渋谷駅徒歩5分「こりと痛みと不調の研究所」所長のケイです。
今回はスポーツ外傷がテーマで、サッカー後に右膝に水が溜まって歩行困難になってしまった40代男性についてレポートします。
彼は幼少の頃からサッカーを始め、海外にサッカー留学したり、就職後も実業団の選手としてプレーをする経歴の持ち主です。仕事の関係でサッカーから少し離れなければならない期間があり、久しぶりにプレーをしたら右膝を痛めてしまいました。もともと右膝には怪我の既往歴があり、それを克服して現役としてプレーをしていました。
今回、試合中は問題なくプレーできたのですが、終わってから右膝が腫れ出して、体重をかけると痛みが走り、立ち上がりも苦労する、曲げることもままならない状態でお越しになられました。実際に右膝を見てみると、お皿周り(膝蓋骨周囲)と膝裏が腫れていて、熱を持っています。明らかに炎症している状態です。こうなると日常生活にも支障をきたします。いくつか膝の検査をしてみると、靭帯や関節周囲の組織にダメージがありそうです。
後十字靭帯が傷ついている可能性
さらに詳しく診ていくと、どうやら膝の中にある後十字靭帯を痛めた可能性があります。膝を前後に動かしてみると、正常な可動範囲よりも少し大きく動きます。これは損傷の一つのサインです。また、お皿(膝蓋骨)を押してみるとプカプカ浮いているような感触があるため、お皿の裏にある水風船(滑液包)もダメージがありそうです。損傷度合いによっては、すぐに整形外科へ受診するようお伝えすることもありますが、今回はひとまずこちらでケアして経過観察することにしました。
なぜ右膝に負担がかかったのか?
久しぶりのプレーと言えども、彼は定期的にトレーニングはしていて筋力や体力は落とさないようにしていました。しかし、膝を痛めてしまった。それにはそこに至る経緯があったのです。
- 内臓疲労・・・右側の大腸である上行結腸と膀胱に疲れが溜まっていた
- 右恥骨の古傷・・・サッカー選手に多いのですが、恥骨を痛めるケースがかなりあります。その古傷が完全に修復していなかった
- 右大腰筋がうまく使えなかった・・・これはプレー中に発生したと推測されます。大腰筋は背骨(下部胸椎)から大腿骨内側上部につながる筋肉で、走る・ボールを蹴る際には必ず使います。ここがすぐに疲労して筋繊維が早々に傷ついてしまったようです。
上記3つを考慮すると、下記具合になります。
お腹の力が抜けやすく体幹が安定しない
↓
その状態で走る・蹴るとなると大腿部に必要以上の負担がかかる
↓
その負担を膝関節が受け止める
↓
その結果、靭帯を痛めたり腫れることに
筋膜リリースでアプローチ
内臓疲労や恥骨の古傷に対してケアをし、関節への負担を減らすために筋膜リリースを行いました。直接ターゲットとした筋膜に適度な圧をかけておこなう手技とは違い、時間をかけずに優しいタッチでリリースする方法でアプローチしました。その後、立ち上がりや右脚に体重をかけてもらうと、ほぼ痛みなく普通に歩行できるまで回復しました。本人も、体重がかけられる!これなら普通にあるけます!と言って喜んでおられました。
サポーターを使い、不安定さをサポートするように、そして損傷からの回復パターンに乗るかどうかを経過観察してもらうようお伝えして終了です。
コンタクトスポーツは怪我ありき
サッカーと限らず、ラグビー、アメフト、球技以外ですと柔道、相撲、格闘技など相手との接触のあるスポーツは怪我と隣合わせです。普段から鍛えているとは言えども、予期せぬ方向からかなり大きな力が体にかかってきます。自分の発揮する力以上の外力がかかり、限界を超えると痛めてしまうのは経験者ならよくお分かりだと思います。
怪我でスポーツ活動を諦めてしまったという話をよく耳にしますが、トップアスリートはそのような状態でもハイパフォーマンスをします。実際にプロスポーツ選手のケアをしていると筋肉の質が違います。触れる機会があればぜひ触っていただきたい!です。
日常生活の中でも、予期せぬ外力がかかることはあります。例えばギックリ腰。その時に損傷をひどくしてしまうのかどうかは日頃からのトレーニングやケアも大切ですが、体の使い方に大きく左右されます。
体の使い方を知ることで、今まで以上に安心して活動ができるようになるので、そういった話も施術中にたくさんします。体の使い方や動きの質が変わるとみなさんの表情がキラキラしていくのです。ちょっとしたことで体の使い方は変えられます。ご興味のある方はぜひお問い合わせくださいね。
膝の痛みやケガ、スポーツ外傷でお悩みの方はお気軽にご相談ください。