顎関節症に悩む40代女性〜原因はストレスによるくいしばり
みなさん、こんにちは!JR渋谷駅徒歩5分「こりと痛みと不調の研究所」所長のケイです。
今回はしつこい顎の痛み(顎関節症)に悩む美容院オーナーのお話です。
「長いこと左顎が痛くて、歯医者に行きました。どうも噛み締めが強く顎に負担がかかっていて、治療しているのですがなかなか良くならなくて…」
顎のトラブルを訴える方は多いです。口を開ける時に痛みが出る、コキコキと音がする、引っ掛かりを感じる、喋りづらいなど表現方法は様々ですが、顎に問題があると何かと生活に不便です。
顎のトラブルに噛み締めやくいしばりが原因となっていることがとても多く、噛み合わせが悪い・歯列に問題・咀嚼の動き・外傷等、顎関節症を引き起こす因子は多岐に渡ります。明確な原因があればその処置で対応できるのですが、原因不明でいつの日からか顎が痛み出すケースもよく見られます。
彼女の場合、噛み締めが起こる原因はよくわからず、既往歴から顎の痛みとの関連性を見ていくことにしました。
- 20代の頃にバイクで左半身打撲
- 30代始めに卵巣嚢腫の手術
- 昨年に自転車で転倒して左肩鎖関節靱帯損傷
- 慢性腰痛
と左側の外傷が多いとわかります。それに美容師という職業柄、偏った姿勢を取る機会が多いことも念頭に入れて調べていきました。
〜くいしばりの原因はストレス
顎の動きを確認すると、口の開閉に関わる筋肉は硬くなっていて、開ける時に違和感と痛みが出ます。左右差を比較した時に明らかに左の動きが悪いのですが、右にもぎこちなさが感じられます。
次に外傷や姿勢との関連性を全身の状態から見ていきました。体のどこかの筋肉や関節の動きの影響から最終的に顎に負担をかけてくるか調べたところ、それほど関与していないとわかりました。
では、一体何が原因なのでしょうか?
「ストレス」です。
詳しく調べたところ、彼女は若い頃からとても我慢強い性格で、美容師に成り立ての頃、師匠や先輩から厳しい指導を受けたそうです。時には理不尽なこともあり、一人前になるために耐えに耐えて過ごしていたと語ります。途中、精神的に参ってしまって離れた時期もありましたが、今では立派な美容院オーナーとなり活躍しています。
〜我慢と顎について
『がまん』『 忍耐』 の感情は顎に出ることがよくあります。こんな言葉を皆さんもご存知でしょう。
「歯をくいしばって頑張れ!」
耐える時にくいしばってしまうのです。辛い思いを我慢するのですが、その感情を理解するのは脳です。繰り返し我慢の感情が続くとなると脳に負担がかかってきます。その負の感情が頭の中でノイズとなって脳を緊張させ、それを不快に思った体はくいしばりという方法で何とか打ち消そうとするのです。
寝ている間にくいしばっていたり、歯軋りしたりする方がいますが、頭の中のストレスを何とかして無くしたい、出してしまいたいという衝動から無意識にそうしてしまうのです。
起きている日中でも、ふと自分の歯に意識を向けてみると上の歯と下の歯が当たっていると気付くことがあります。本来リラックスした口の中の状態であれば歯と歯は当たりません。歯が当たっていると感じたならば、すでに噛み締めた状態であり、顎が緊張していることになります。
そんな時は口を大きく開けて“あっかんべー”と舌を目一杯出して口の緊張を緩めるのがおすすめです。その後は上の歯と下の歯の間に隙間ができていることに気づくはずです。
〜感情解放のテクニックを使いました
感情を解放すると聞くと何をするの?と思われのでは。体内のどこかに潜む受けた感情や抱いた感情を理解して認めてあげる作業とでも言いましょうか。鬱積した感情エネルギーを解き放つことで、人体にかかる影響を取り除く、または負担を減らすことを行います。カウンセリングやワーク、瞑想など様々な方法がありますが、私の場合はそれを手技で行います。今回使用したテクニックは、頭蓋仙骨療法です。
※詳しくは『頭蓋仙骨療法』をご参照ください
施術後、彼女の顎の動きはスムーズになり痛みも無くなっていました。それから数週間後にお会いしましたが、噛み締めがすっかりなくなり顎の動きも順調でした。
くいしばりもひどくなると顎関節に大きな負担をかけてきます。症状の程度によっては歯科医と相談しながら情報交換をして回復計画を立てていくこともあります。くいしばりから歯のダメージが発生し、虫歯や歯周病の引き起こすこともあります。歯は一生物ですし、顎は食事やコミュニケーションに重要な役割を果たす関節です。少しの観察と簡単な体操で予防と緩和ができることもありますので、たまに注目してみてください。
くいしばりや顎関節症でお悩みの方はお気軽にご相談ください。