脳卒中片麻痺後から立ち上がりが困難な70代女性〜原因は重心の位置異常
みなさん、こんにちは!JR渋谷駅徒歩5分「こりと痛みと不調の研究所」所長のケイです。
今回は脳卒中片麻痺後の後遺症による立ち上がりが困難になった女性への施術をご紹介します。
彼女は9年前に右脳梗塞を起こし左半身麻痺となってしまいました。並々ならぬ努力でリハビリした結果、左脚の機能障害(歩行障害)を残す以外は日常生活上、問題ないレベルまで回復しました。
しかし、1年前に今度は左脳梗塞を起こしてしまったのです。幸いにも右麻痺が起こらず機能を取り戻したのでご本人も安心したようです。過度のストレスが脳に負担をかけてしまったと仰っていました。
脳梗塞後の麻痺症状は個人差が大きいです。日常生活動作をほぼ回復した軽度な症状から日常生活を余儀なくされる重度な症状まで、障害を受ける脳血管や脳組織の場所により左右されます。
彼女の場合、歩行障害は残すものの自力で移動は可能なのですが、床から立ち上がる時に何かに捕まりながらでもやっとの思いで立つことができる状況です。布団で寝なければならない時や正座が必要な場合はそれは難儀ですし、大変さがひしひしと伝わってきます。
彼女に立ち上がり動作をしてもらったところ、左脚に力が入りにくいため、
立て膝にするにもやっと💦 そこから片脚を前に出すにもやっと💦 ましてや立ち上がろとしようものならグラグラしながら必死に立つ感じです💦
後遺症であると言えども力が入りづらい原因が何か調べてみました。
〜重心が全く取れていない…
運動神経の通りが悪くなっているのはもちろんのこと、負荷検査をしたところ、体がグラグラの不安定状態です。重心が定まっていないのです。体には重心が通る位置があります。頭のてっぺんから足の裏まで1つの直線で結ばれます。この位置からズレている箇所が多いと不安定になってしまいます。
電車に乗ってどこにも捕まらずに立っている時、その揺れに対応できず、オットットとなってしまうことがあります。しかし重心軸が安定しているとさほど左右されなくなります。
〜重心を正しい位置に戻したところ…
簡単な手技で重心の位置を調整し、軸を作るようにしました。その後もう一度立ち上がり動作をしてもらいました。
「あれ⁈びっくり😵補助なしで立ち上がれる‼️」
動作スピードは緩やかでありますが、一つ一つの動作がしっかりして、自力で安定して立ち上がったのです。脳梗塞を患って以来初めてのことだったようで、大変驚かれていました。
〜ほとんどの方の重心が乱れている
現在施術している患者さんの重心をチェックしているのですが、ほぼ全員と言ってよいほど乱れています。
この現象の起因はコロナウイルス禍の自粛期間が関与していると観ています。運動不足による筋力低下と姿勢の崩れ、そして持続的な精神的ストレスにより、お腹に力が入りにくくなっています。
「臍下丹田」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。東洋医学の考え方ですが、へそ下に“気”が集まる場所があります。そこを“丹田”と呼びます。実体はないのですが、ここの充実感の有無が体の安定に大きく関わります。
丹田の気力が落ちると、安定感がなくなり、脚に力が入りづらい、歩き出しがフラフラする、疲れやすい、メンタル的には気分が塞ぎがち、やる気が出ない、鬱傾向などの症状が出てきます。
こと目に見えない脅威であるウイルスに何ヶ月も不安や恐怖を感じながら生活をしていれば、体は硬く縮み、全体の機能は下がるため気力も落ちてきます。お腹に力は入りづらくなってきます。
「コロナ鬱」という言葉を最近よく耳にしますが、私的にはそうなるだろうな〜と予測はしておりました。
重心を取り戻した患者さんは、気力が湧いてきて元気なお顔に変化します。血色が良くなり、姿勢も良くなり、内側から力がみなぎってきます。
重心を元に戻す。
現在を健康的に生活するにはとても重要なことだと私は思っています😌
運動機能を回復させたい、パフォーマンスを上げたい、安定した体を取り戻したい方はお気軽にご相談ください。