東洋医学的に便秘を改善(50代女性)~腎陽虚タイプ
みなさんこんにちは。
暑いかと思ったら急に湿度が上がってきて汗がじわっと出てくる季節がやってきましたね。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は前回に引き続き便秘について説明していきます。
実際に来院されている患者さんを例に、東洋医学的に便秘の種類と施術方法を紹介していきます。
50代 女性 主婦
主訴は次の通りです。
・最近便秘気味
・更年期症状あり(のぼせ、イライラ、手足の冷え、白髪、薄毛)
・腹部を触診してみると特に下腹部が冷えている
・足は温めてもすぐに冷えてしまう
まず初めに東洋医学的診た便秘の種類を説明していきます。
東洋医学的に診た便秘の分類
①胃腸の熱
食べ過ぎの状態で、特に辛い物をたくさん食べた時に起こりやすい便秘です。
胃腸に熱が溜まってお腹の中の水分が蒸発してしまっている状態です。
・お腹が張っている感じがする
・顔が赤い
・のどが渇く
②肝鬱
ストレスによる便秘はこのパターンが多いです。
イライラなどのストレスが熱になって体にこもってしまっている状態です。
・お腹や脇が張る
・げっぷがよく出る
③気虚
疲労が溜まっておこる便秘です。
疲れすぎて便を押し出す事が出来なくなっている状態です。
・顔色が白い
・排便時に息がきれて汗がでる
・常に倦怠感がある
④腎陽虚
腎精という生物が活動するのに必要なエネルギーを溜めておく場所が弱っている状態です。
さらにエネルギー不足のため陽(温かさ)が無くなって体が冷えてしまっています。
・お腹や手足が冷えている
・腹痛がある
・夜中にトイレに行く
・下腹部に力が入っていない
上記の4種類のうち①、②は実証タイプといい、体に熱がこもっている状態です。
便が硬くて出なかったり、コロコロとしたウサギのふんのような便が出たりする人はこのタイプです。
この様な場合は体の熱をとり潤いを与えるような施術をしていきます。
③、④は虚証タイプといい腸の蠕動運動が出来ていない状態です。
排便に時間がかかったり、下剤を使うと渋り腹を起こしてしまう人は虚証タイプです。
虚証タイプの場合はお腹の緊張を緩めて腸の蠕動運動を促すように施術します。
例に挙げた患者さんは年齢や症状、お腹の状態から④の腎陽虚タイプだと思われます。
お腹を温め下腹部に力が入るようにし、全身を調節して血液等の巡りが良くなるように施術を行います。
またこのような場合は適度な運動を行った方が症状が改善されますので体幹トレーニングを中心に運動指導も行っていきます。
同じ便秘という症状でも体質によって施術方法が異なってきますので体の事でお困りの場合は相談をお待ちしております。